中学英語を復習する利点
東京で英語専門の家庭教師をしております、英語見直し工房の高橋です。
中学英語から復習することの大切さについては、このブログで何度も書いてきました。
大学受験とはいえ、基礎は中学英語(←前回の記事へ)にあるのですが、
その他にも中学英語から復習すべき理由があります。
今回は、「なぜ中学英語から復習すべきなのか」を、もう少し考えてみたいと思います。
英単語が易しい
中学英語の参考書や問題集は、問題や例文が中学で習う易しい単語を使って書かれています。
したがって、参考書の例文読んだり、問題を解いたりする際に、難しい単語に邪魔されることなく、
文法事項の理解に集中することができます。
実際に、
中学英語を復習する際に、私は『新中学生問題集(発展編)』という塾用の教材を利用しています。
難関高校を受ける中学生が利用する問題集で、一部高校で教える範囲、つまり大学入試の入り口までの文法事項を扱っています。
しかし、中学生用ですので、単語はそれほど難しいものは使われていない為、文法事項の修得に集中することができます。
英文法の全体像が見やすい。
英文法の基礎を学ぶ場合に、細部に立ち入らず、「ざっくり全体を」概観することは重要です。
まずは、誰もが知っている欠かせない文法事項、つまり中学英語の範囲を、頭の中に入れることがとても大切です。
例えば不定詞を取ってみると、
中学の内容だけであれば、
- 不定詞(名詞用法、形容詞用法、副詞用法)
- It~ for~ to~
- 疑問詞+to~
- tell/ask/want+目的語+to~
など
高校の内容を含めると
- 仮目的語のit
- to have 過去分詞
- 原形不定詞
- be to 構文
などが、上記の中学の内容に加わります。
もちろん、最終目標の大学入試では高校学習範囲が必要になりますが、
まずは、誰もが知っている中学の学習範囲で自分に足りない知識を「一通り」インプットしてしまうことが大切です。
中学英語がベースになる
高校で初めて習う文法事項は、全く別のことを扱っているのではなく、
中学で習った内容を「一歩進めた」形になっていることが多いです。
次の2つの例文を比べてください。
- My father told me to go. (父は私に行くように言った)
- My father made me
togo . (父は私を行かせた。)
1は、中三で学ぶ、tell +目的語(o)+to~(Oに~するように言う)
2は、高校範囲の原形不定詞、make+目的語(o)+to ~ (Oを~させる)
上記の2つは、目的語(o)と不定詞to~の間に、「Oが~する」という関係があります。
しかし、2の”make(~させる)”の文では、不定詞のtoのない「原形不定詞」というを使います。
このように、
中学でやった内容を「一歩すすめた」形を高校で習うため、
まず、中学英語をインプットして、その後、高校範囲に進むのが良いと考えます。
もちろん、関連あるものを「一気に」勉強してしまうのも良いですが、
まず、基礎を入れて理解・定着のための時間を置いてから応用に進む、
というやり方が、気分的にも良いと私は考えています。
欲張らない受験勉強
受験勉強を始めた当時は「自分の志望校ならここまで必要だろう」と、
難しい問題集や参考書に手を出しがちです。
しかし、基礎は遠回りでなく、応用に進むためのステップです。
また、
中学英語の薄い問題集を1冊最後まで終わらせることができれば、達成感も生まれます。
『NEXT STAGE』のような厚めの問題集にいきなりチャレンジして、挫折することも避けられます。
そのような意味で、
英語に苦手意識を持つ方は、まず中学英語を復習することをお勧めします。